看護師の身だしなみというと髪型やメイク、爪の長さなど目に見える部分に意識が向きがちです。しかし、患者に与える印象を左右する香りも欠かせません。自分では良かれと思ってつけている香りが、実は相手に不快感を与えてしまっている可能性があります。特に病気や治療の影響で感覚が過敏になっている患者にとって、普段は何でもないような匂いが頭痛や吐き気を引き起こす原因になることも少なくありません。見た目の清潔感だけでなく、目に見えない香りへの配慮も、信頼される看護師としての大切なマナーの一つです。

気をつけるべきなのは、香水のように意図的につける香りだけではありません。意外と見落としがちなのが、柔軟剤や香りの強いハンドクリーム、制汗剤など日常的に使っている製品の匂いです。自分では慣れて気づきにくいものですが、ケアのために患者との距離が近くなるとその香りが強く感じられることがあります。食事の介助の際に柔軟剤の香りが食事の邪魔をしたり、呼吸が苦しい患者のそばで香りの強いクリームを使ったりすることは避けたいものです。製品を選ぶ際は、できるだけ無香料のものを選ぶ意識がけが、確実で安全な配慮と言えるでしょう。

良い香りをつけることよりも、不快な匂いをさせないことが医療現場における香りの基本です。汗をかきやすい夏場などは、汗の匂いが気になって制汗剤を使いたくなることもあるでしょう。その場合も、香りでごまかすタイプではなく、無香料で汗や匂いを抑える機能のある製品を選ぶのがおすすめです。見た目だけでなく香りという見えない部分にまで気を配る姿勢が、より高いレベルの清潔感と相手を思いやる気持ちの表れとなるでしょう。